まちづくり


【芳賀町まちづくり基本条例と解説】 
 
 印刷用 PDF  


芳賀町まちづくり基本条例と解説

 まちづくり基本条例とは、「自治」の「基本」となる意味で「自治基本条例」の概念を持つものです。まちづくりの基本方針やそれを実現するための自治のしくみなどを条例として定めるもので、自治体の最高規範として位置付けられます。
 内容は、自治の担い手となる町民・議会・町のそれぞれの役割と責務、説明責任と町民の意思表明(パブリック・コメント)、情報提供と共有、行政評価、住民投票制度、人権尊重と協働による町民主体のまちづくりなどがあげられます。
 
(前文)
第1章 総則(第1条〜第4条)
第2章 町民の役割と責務(第5条〜第7条)
第3章 議会の役割と責務(第8条)
第4章 町の役割と責務(第9条〜第11条)
第5章 町政運営の基本原則
 第1節 計画策定等の手続(第12条〜第14条)
 第2節 評価の実施(第15条)
 第3節 財政(第16・17条)
 第4節 説明責任等(第18条・第19条)
 第5節 広域連携(第20条)
第6章 住民自治のあり方
 第1節 まちづくりへの参画(第21条〜第23条)
 第2節 住民投票制度(第24条〜第26条)
 第3節 まちづくり委員会(第27条)
第7章 団体自治のあり方(第28条・第29条)
第8章 その他(第30条〜第32条)
 附則



(前文)

 芳賀町は、先人のたゆみない努力の中で歴史を刻み、郷土を愛する多くの人々の英知に支えられて、今日の繁栄を迎えています。わたしたちは、この美しい田園風景と相互扶助の中で培われた風土や人の心を守り、育て、わたしたちのまちを誇りと自信を持って次世代に引き継ぐためにも、自らの手で、自らの責任で、主体的にまちづくりにかかわっていくことが必要です。
 多様化する今日の地方自治にあっては、町民が自治の主体としてその役割を自覚し、まちづくりに参画しなければなりません。
 わたしたちは、ここに芳賀町のまちづくりの理念を明らかにし、町民・議会・行政がそれぞれの役割を自覚し、町民主体のまちづくりを目指すため、また芳賀町の自治の最高規範としてこの条例を制定します。

【解説】
 まちづくり基本条例は、「自治」の「基本」となる意味で「自治基本条例」の概念を持つもので、地方分権を進める中での新たな概念です。町民の権利保護やそのための制度保障など自治実現のための基本となる条例として、また自治の本旨(住民自治及び団体自治)を法的側面から支える条例です。
 また、本条例は憲法で規定している主権在民(前文)、基本的人権(第11条)と公共の福祉並びに幸福追求権(第13条)等の各原則を受け、その政策目標実現のため自治体の「自治の理念と政策の基本原則及びその手続」を規定するものです。
 よって、本条例は自治体の基本法であり、憲法第92条に規定する「自治の本旨」を直接受けているものといえます。本条例と他の条例との法的な性格は、憲法と法律との関係の理論を適用することができ、他の条例より上位にあり、他の条例が本条例に従わなければならないという拘束力を有するものです。


第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、芳賀町のまちづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、まちづくりにおけるわたしたち町民の権利と責務並びに議会と行政の責務を明らかにし、自治の実現を図ることを目的とします。

【解説】
 本条例は、町民、議会、行政の役割を明確にし、町民主体のまちづくりを将来にわたって実践していくために制定するものです。「まちづくりに関する基本的な事項」とは、情報の共有、町民参画、協働を中心とするさまざまな理念、わたしたち町民の権利や責務、制度などをいいます。「自治の実現」とは、地方自治の本旨の実現を究極の目的としており、そのためにはわたしたち町民が主体的にまちづくりにかかわっていかなければなりません。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところとします。
(1) 町民 まちづくりの主体であり、原則として芳賀町に住み、働き、学ぶすべての人及び町内に事務所を有する法人その他の団体をいいます。
(2) 議会 議会及び議員とします。
(3) 行政(以下「町」という。) 町長、各執行機関、出資法人及びその職員とします。
(4) 住民自治 町民の意思を基本として、施策を行うことをいいます。
(5) 団体自治 町が、自己の事務を自己の責任で処理することをいいます。
(6) 協働 町民・議会・町の各主体が、互いに尊重し合い責務を共有し、連携してまちづくりに取り組むことをいいます。
(7) 参画 町が実施する施策や事業等(以下「町の仕事」という。)の計画策定、実施、評価等の各段階に町民が主体的に参加することをいいます。
(8) コミュニティ 町民一人ひとりが互いに助け合い、心豊かな生活を送ることを目的として結ばれた自治会、行政区、ボランティア等の組織及び集団をいいます。

(基本原則)
第3条 町民、議会及び町(以下「わたしたち」という。)は、町民主体のまちづくりを実施するため、自律した町民として、互いを尊重し、平等であることを認め、自主性と責任をもって住民自治を進めます。
2 わたしたちは、協働により町民主体のまちづくりの実現を図ります。

【解説】
 まちづくりにおける柱となる条項です。わたしたち町民一人ひとりは、自律した人間として、互いを認め合い、自主性と自らの責任をもって住民自治を進めることにより町民主体のまちづくりを実施していくことを基本とするものです。
 また、町民・議会・町のそれぞれが、互いに尊重し、責任を共有し、連携してまちづくりに取り組むことにより町民主体のまちづくりを実現していこうとするものです。

(最高規範性)
第4条 この条例は、わたしたちが定める最高規範であり、まちづくりの基本理念としてこれを遵守し、町の基本的な条例の制定や計画策定、施策を決定する場合は、この条例に基づいて行うものとします。

【解説】
 本条例を町政運営の最高規範(行動・判断の基準)として位置付けるとともに、これを遵守し、条例制定、計画策定等はこれに則して行うことを規定しています。


第2章 町民の役割と責務

(町民の役割と責務)
第5条 町民主体のまちづくりにおける町民の役割と責務を次に掲げます。
(1) 町民は、まちづくりの主体として、まちづくりに参画する権利を有します。
(2) 町民は、町民主体のまちづくりの理念を理解し、互いを尊重し、平等であることを認識しなければなりません。
(3) 町民は、まちづくりの主体であることを認識し、総合的視点に立ち、自らの発言や行動に責任を持って取り組むものとします。

【解説】
 本条は、町民がまちづくりの主体として、まちづくりに参画する権利を明らかにしたものです。わたしたち町民はお互いを尊重し、対等の立場でまちづくりに参画することを明記しました。まちづくりの議論を進める際、わたしたち町民は私的な利害関係にとらわれることなく公共性を尊重し判断することが必要です。「総合的視点」とは、こうしたまちづくり全体を見渡した視野を意味し、町民自身がまちづくりの担い手であるという自覚を持った言動をとらなければならない責務をうたっています。
(コミュニティの形成)
第6条 町民は自主的で自律的なコミュニティの形成に努めるものとします。

(町とコミュニティのかかわり)
第7条 町は、コミュニティの自主性及び自律性を尊重し、非営利的かつ非政治的なまちづくり活動の支援に努めるものとします。
2 町は、前項の活動の支援の対象や内容について、必要に応じ個別条例、規則等において別に定めるものとします。
3 町は、第3条の基本原則に基づき、町民主体のまちづくりを推進する人的資源の有効活用に努めるものとします。
4 町民及び町は、地域の自治を支えるコミュニティを尊重し、協働で担う新しい公共の仕組みづくりに取り組みます。

【解説】
 コミュニティの活動等は、あくまでも自主性、自律性が尊重されるべきで、町による一方的な関与はあり得ないこと、そのコミュニティの活動は町からの支援が前提としてあるわけではなく、わたしたち町民自身による活動が中心となるべきことを規定しています。また、人的資源の有効活用や地域自らが公共サービスの一翼を担う仕組みづくりに取り組み、自らのまちを守り育てる住民自治の実現に、町民と町が協働で取り組むことを規定しています。


第3章 議会の役割と責務

(議会の役割と責務)
第8条 町民主体のまちづくりにおける議会の役割と責務を次に掲げます。
(1) 議会は、芳賀町の議決機関として、重要な政策を総合的な視点に立って審議し、意思決定するものとします。
(2) 議会は、この条例に照らして、常に町が町民本位で効率的な町政運営を行っているかを調査するとともに、自らも政策立案等を行い、町民の意思が反映されるよう活動するものとします。
(3) 議会は、議会活動に関する情報を町民に分かりやすく説明するとともに、町民・町と連携し、協働により町民の福祉の向上に努めるものとします。

【解説】
 本条は、議会のまちづくりへのかかわりについて明らかにしたものです。議決機関としての責務、町民の意思反映のための活動の責務、議会活動の町民への説明責任と町民・町との連携、協働をうたっています。


第4章 町の役割と責務

(町長の役割と責務)
第9条 町長は、町民の信託に応え、町政の代表者としてこの条例を遵守し、公正かつ誠実に町政の執行に当たり、まちづくりの推進に努めるものとします。
2 町長は、町民の安全を確保するため、町民の生命、身体及び財産を保護するための必要な措置を総合的に実施するものとします。

【解説】
 自治体の代表者として選挙で選ばれた町長は、憲法第92条の自治の本旨(住民自治、団体自治)を具体化し、実行する責任者として本条例に沿って公正に職務を遂行するよう規定したものです。
 また、災害対策基本法や武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)に基づき、町民の生命、身体、財産を保護するため、必要な措置の実施について規定したものです。

(就任時の宣誓)
第10条 町長は、就任に当たっては、その地位が町民の信託によるものであることを深く認識し、自治の一層の拡充とこの条例の理念の実現のため、公正かつ誠実に職務を執行することを宣誓するものとします。
2 前項の規定は、助役、収入役及び教育長の就任について準用します。

【解説】
 具体的に宣誓することにより、町長は町民の信託を受けた自らの地位の重さを認識するとともに、わたしたち町民にとっても町長が何を基本(理念)として自らの仕事を進めるのかを再認識することを目的としています。町長は、自ら考え、自らまとめたことばで町民の前に誓うものとしますが、就任後の初議会の開会時に宣誓する等が考えられます。また、助役、収入役及び教育長の就任についても同様とします。

(執行機関等の役割と責務)
第11条 町民主体のまちづくりにおける各執行機関、出資法人及びその職員(以下「執行機関等」という。)の役割と責務を次に掲げます。
(1) 執行機関等は、その権限と責任において、公正かつ誠実に町の仕事の執行に当たるものとします。
(2) 執行機関等は、町民主体のまちづくりの精神にのっとり、常に町民・議会と連携し、協働により町民の福祉の向上に努めるものとします。

【解説】
 執行機関全体の責務を規定するとともに、執行機関等は公正かつ誠実に職務の執行に当たる義務を規定しています。


第5章 町政運営の基本原則

第1節 計画策定等の手続

(現状把握)
第12条 町は、町民とともに、町の仕事の現状把握を行い、その結果を将来の計画策定や施策に生かすものとします。

【解説】
 まちづくりは、過去から現在、そして未来へと引き継がれていくものです。このため、町民とともに現状把握を行い、その結果を将来計画や施策に反映させていくことを規定しています。

(計画策定等における原則)
第13条 町は、この条例の目的及び趣旨に基づき総合的かつ計画的な町政運営を図るための基本構想及びこれを具体化するための計画(以下これらを「振興計画」と総称する。)を策定し、実施するとともに、新たな行政需要にも対応していくものとします。

【解説】
 振興計画は町の仕事の最上位の計画であり、振興計画もまた本条例の趣旨に沿って運営されなければなりません。また、町のいかなる計画も、振興計画との位置付け(関連付け)を明確にして対応していくことを規定しています。

(計画策定等の手続)
第14条 町は、振興計画の策定及びこれに基づく事務事業の計画策定、実施、評価等について、多くの町民参画の機会提供に努めるものとします。
2 町は、前項の計画を策定するときは、達成状況を明らかにするため、目標の数値化に努めるものとします。

【解説】
 町の仕事の意思決定を行う前に限らず、あらゆる過程における町民参画の機会の提供に努めるとともに、計画策定の際は達成度を分かりやすくするため、目標の数値化に努め、ねらいを明確化することを規定しています。

第2節 評価の実施等

(評価の実施等)
第15条 町は、まちづくりの目標に照らし、取組の有効性、効率性等について評価を実施するものとします。
2 前項の評価は、まちづくりの状況の変化に照らし、最もふさわしい方法で行うよう常に検討し、継続してこれを改善するものとします。
3 町は、第1項の評価の結果について、分かりやすい形で町民に公開するものとします。

【解説】
 まちづくりの評価とは、まちづくり全体について、特に振興計画を柱とする各種事務事業を評価(外部による評価を含む)するものとし、具体的な評価の手法は社会情勢や町民意識に即応していくため、常に改善していくことを規定しています。

第3節 財政

(財政運営)
第16条 町は、健全な財政運営のため、振興計画及び評価を踏まえた財政の仕組みを確立するとともに、町民に分かりやすい財務に関する資料を作成し、財政状況を公表するものとします。
【解説】
 各種事務事業の成果を正しく評価し、町民に公表するとともに、次の予算編成や新規事業の展開に活かしていく仕組みづくりが不可欠です。また、財政状況については財務諸表を作成するなど常に現状分析を行い、健全な財政運営に努めるとともに、町民に対しては分かりやすい資料の作成と公表を義務付けています。

(財産管理)
第17条  町は、財産の適正な管理及び効率的な運用を図るため、町の財産の保有状況を明らかにし、資産の適正な活用に努めるものとします。
2 前項の財産については、資産としての価値、取得の経過、処分又は取得の予定、用途、管理の状況その他前項の目的を達成するため必要な事項が明らかとなるよう台帳を整備するものとします。

【解説】
 財産台帳を整備し、具体的な財産運用や保全の状況を明らかにし、適切な管理と運用に努めることを規定しています。財産については、バランスシート(貸借対照表)における会計用語上の「財産」=「資産」と捉え、有効活用を図ります。

第4節 説明責任等

(説明責任)
第18条 町は、町の仕事の企画立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その経過、内容、効果及び手続を町民に明らかにし、分かりやすく説明するものとします。

【解説】
 政策意思の決定に当たっては、その経過を町民に説明する責務=説明責任があり、町は積極的にお知らせ、公表、説明等に努めるよう規定したものです。町は、町民からの信託を受けて仕事をしているのであり、依頼主である町民に仕事の内容を具体的に説明する義務があります。

(個人情報の保護)
第19条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないよう個人情報の収集、利用、提供、管理等について必要な措置を講じるものとします。

【解説】
 町民の基本的人権を守るためには、個人情報の適正な管理が不可欠で、行政の信頼を確保する上で個人情報の保護は重要な責務です。

第5節 広域連携

(広域連携)
第20条 町は、近隣自治体との情報共有と相互理解のもと、連携してまちづくりを推進するとともに、県、国その他の機関との広域的な連携を積極的に進めるものとします。
2 町民は、経済、文化、環境、国際交流等に関する取組を通じて、町外の人々の知恵や意見をまちづくりに活用するよう努めるものとします。

【解説】
 近隣自治体との情報共有を図り、さまざまな分野において総合的視点にたって連携を図るとともに、近隣での連携のみならず、状況に応じた広域連携を進めるものです。また、さまざまな分野から芳賀町に関心のある町外の人々は、町民が気づかない又は見落としている視点を持っており、そうした知恵や意見を有意義に活用しようとするものです。


第6章 住民自治のあり方

第1節 まちづくりへの参画

(自主性の尊重)
第21条 町民主体のまちづくりへの参画においては、住民自治の原則に基づき、自主性、自律性を尊重するものとします。
2 まちづくりへの参画は、町民一人ひとりができることをできる範囲でかかわることを基本とします。

【解説】
 まちづくりへの参画はわたしたち町民の直接の責務ではありませんが、さまざまな形でまちづくりに主体的にかかわること(参画しようとすること)が、町民自らの自治や権利の拡充につながるものです。また、まちづくりへの参画についてはさまざまな場面が想定されますが、それぞれができることをできる範囲でかかわっていくことを基本とすることを規定しています。

(情報提供と共有)
第22条 町は、公正で公平な町民主体のまちづくりを進めるため、町の仕事に関する情報を早い段階から町民に提供し、情報の共有を図るものとします。

【解説】
 情報の共有により、誰もが対等な立場でまちづくりのための議論ができることを目的としています。情報の共有とは、町と町民とが町政に関する情報を共有し、及び活用することをいいます。情報の共有は、行政からの一方的な情報提供だけではなく、町民相互の情報発信があってこそ成り立つものです。

(情報共有のための制度)
第23条 町は、情報共有を進めるため、次に掲げる制度を基幹に、これらの制度が総合的な体系をなすよう努めるものとします。
(1) 町の仕事に関する情報を分かりやすく提供する制度
(2) 町の仕事に関する会議を公開する制度
(3) 町が保有する文書その他の記録を請求に基づき公開する制度
(4) 町民の意見、提言等がまちづくりに反映される制度

【解説】
 情報公開条例をその根拠として、具体的な情報共有のための諸制度として運用します。

第2節 住民投票制度

(住民投票の実施)
第24条 町長及び議会は、町及び議会に関する重要事項について、直接、町民の意思を確認するため、住民投票の制度を設けることができます。
2 住民投票に参加できる者の資格その他住民投票の実施に関し必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めるものとします。

【解説】
 住民投票は、住民意思確認のための最終手段として位置付けます。まちづくりは、情報共有と住民参画の実践が大切であり、住民投票に至らなくても解決できるケースがほとんどです。従って、本条文も「設ける」ではなく「設けることができる」としており、住民投票制度を恒常的に設けるものではありません。
 住民投票は、事案によりその内容が多種多様であることが想定されます。その中で投票結果をより有効に機能させるため、個別事案が発生した時点で投票条例を制定していくことを規定しています。

(住民投票の請求)
第25条 町民は、町又は議会に関する重要事項について、町長及び議員の選挙権を有する者の4分の1以上の連署により、町又は議会に住民投票を請求することができます。
2 前項の請求があったとき、町長又は議会は、前条第2項に規定する条例を定め、住民投票を行うものとします。
3 第1項に規定する署名に関する手続等は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第6項から第8項まで、第74条の2第1項から第6項まで及び第74条の3第1項から第3項までの規定の例によるものとします。

【解説】
 地方自治法第74条では、「条例の制定又は改廃の請求」について選挙権を有する者の50分の1以上の連署により直接請求できる権利を規定しています。しかし、町民は発案をするに止まっており、発案に基づいて住民投票に付して町民自ら決定することなく、議会の議決によって決するとされています。一方で3分の1以上の署名数を要件としている議会の解散(同法第76条)及び議員(同法第80条)・長(同法第81条)・主要公務員(同法第86条)の解職請求は、身分の特喪に直接関わる事項について規定しています(議会の解散、議員・長の解職は住民投票の過半数で解散・失職。主要公務員は議員の2/3以上の出席で3/4以上の同意で失職)。
 本条は身分の特喪に直接関わるものでないこと、代表民主制の原則と直接請求による町民の意思との比較衡量等を勘案して、町長及び議員の選挙権を有する者の4分の1以上の連署により住民投票を請求することができると規定しています。また、請求された連署が有効であれば、第24条第2項に規定する事案別の住民投票条例を定め、住民投票が実施されることになります。

(住民投票の取扱い)
第26条 町長又は議会は、住民投票を行うときは、あらかじめその目的と取扱いを明らかにするとともに、投票結果を公表します。

【解説】
 わたしたち町民の間で事前の論議が十分に尽くされることが大切であり、結果をどう扱うかについては、その都度、条例で具体的に定めることとします。ここで初めて、投票結果に町長又は議会が従うのかどうかを明確に規定します。これにより住民投票の結果をより有効なものとすることができると同時に、わたしたち町民は投票結果の扱われ方を事前に承知したうえで投票に臨むことができます。

第3節 まちづくり委員会

(まちづくり委員会の設置)
第27条 町長は、町民主体のまちづくりについて協議するために、まちづくり委員会(以下「委員会」という。)を設置するものとします。
2 委員会は、町長が委嘱する者をもって組織します。ただし、男女いずれか一方の委員の数は、委員総数の10分の4以下であってはならないものとします。
3 前2項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、町長が別に定めるものとします。

【解説】
 この条例の目的及び趣旨に基づきまちづくりを進める中で、必要な事項について協議するための「まちづくり委員会」の設置について定めたものです。
 第3条基本原則の人権尊重に基づき、男女共同参画を進めていくうえで、すべての人が参画する社会づくりの仕組みの一つとしての「政策方針決定への男女共同参画」を図るため、男女の構成比率を1対1に近づけようとするものです。
 この委員会に限らず、審議会などの政策方針決定への場に参画する女性委員の人材育成と参画の拡大を図っていくとともに、委員の選考にあたっては、老若男女、多様な委員構成となるよう配慮するものとします。


第7章 団体自治のあり方

(町民の意思表明−パブリック・コメント−)
第28条 町は、町の仕事に関する意思決定を行う前に町民に情報提供し、広く意見を求め、意見に対する町の考え方を公表し、町の仕事の内容が町民に理解されるよう努めます。
2 町は、年齢が満20歳未満の町民の町政への参画についても、積極的な機会提供に努めます。

【解説】
 「パブリック・コメント」とは、案や関係資料を公表し、広く町民の意見を聞く手続をいいます。意見を求める手法については、会議形式、計画の縦覧方式等、案件により柔軟かつ効果的に対応することが重要です。
子どもたちの参画は、形式(表面)的、一時的な参加でなく、日常生活や教育現場の中から恒常的に繰り返されることが重要であり、そのための仕組みづくりを進めなければなりません。場合によっては、住民投票の有資格者になることも考えられます。

(町民提案)
第29条 町民は、まちづくりや町民参画の推進に関連した町の計画や施策について、提案を行うことができるものとします。
2 町は、町民からの意見、要望への対応策、提案の意見反映について、分かりやすく説明するものとします。
3 町は、町民提案の状況や内容、その対応について第27条に定めるまちづくり委員会に報告するものとします。

【解説】
 より良いまちづくりを推進するため、町民からの提案制度について規定したものです。町民からの提案事項等に関する対応については、分かりやすく本人に回答するともに、必要があればプライバシーに配慮して広報紙に掲載する等の方法によることも可とします。


第8章 その他

(条例等の体系化)
第30条 町は、この条例に定める内容に即して、教育、環境、福祉、産業等分野別の基本条例の制定に努めるとともに、他の条例、規則その他の規程の体系化を図るものとします。

【解説】
 各種基本条例制定の範囲は、芳賀町が重要と判断する分野すべてが対象となり、具体的な対象範囲は予め整理していませんが、各種基本条例を中心として町のきまりを体系化することにより、まちづくりの仕組みの全体像がわたしたちにとって分かり易いものとなるようにします。

(条例制定等の手続)
第31条 町は、まちづくりに関する重要な条例を制定し、又は改廃しようとするときは、町民の参画を図り、又は町民に意見を求めるものとします。

【解説】
 まちづくりに関する条例の制定や改廃についても第28条の「パブリック・コメント」手続により、町民の参画や意見を求めることを規定したものです。

(この条例の検証及び見直し)
第32条 町は、この条例が本町にふさわしいものであり続けているかどうかを常に検証するものとします。
2 町は、前項の規定による検証の結果を踏まえ、この条例及びまちづくりの諸制度について見直すなどの必要な措置を講じるものとします。

【解説】
 本条例は「育てる条例」として位置付けます。育てること(条例の見直し)は、時代経過による条例の形骸化を防止し、町民が本条例に関心を持ち続ける動機付けとなるものです。さらに、条例本来の機能(町民の権利保護)が期待されたとおり作用しているかどうか常に検証することができることなど、さまざまな機能を併せ持っています。
 条例の見直しと同時に、諸制度の見直しも実施し、本条例の実効性を常に保証していくことが重要です。


附 則
この条例は、平成18年4月1日から施行する。


【まちづくり基本条例概念図】
まちづくり基本条例概念図






問い合わせ
担 当
企画課 企画調整係
電 話
028-677-6012
E-Mail
kikaku@town.haga.tochigi.jp